ミルフイーユ崩す貴女の春衣

お久しぶりです。
パソコンちゃん不調のため、お休みしておりましたが、ようやくこうしてまた書き込めるようになりました。
嬉しいです・・・。

というわけで、今日の句は、ご近所のショッピングセンターで、「春の洋菓子フエア」なる催しが行われたときのもの。
突然の復旧だったので、何を書いていいのかわからなくなってしまった。わたしが、日記ライフから遠ざかっている間に、桜は咲いて終わってしまうし、エイプリルフールも過ぎたし、卒業および入学の話題も落ち着き、なんかホント、うらしまたろう気分。

で、ミルフイーユ。
この洋菓子は美しくいただくのが、とってもむずかしい。フオークを入れるときに力を入れなければ切れないし、力を入れすぎてもお菓子のパイ生地がズタズタになる。パイ生地とパイ生地との間に横たわる苺も 、できることなら、余りつぶさない状態で口まで運びたい。
素敵な彼の前で気取っていただくお菓子としては、余り向かないかも。


でもそれは、おとなになってはじめて、この洋菓子に出会ったからなのかも。
たとえば、神戸の山の手育ちで、ちいさい頃から、様々なケーキに親しんできたひとならば。

多少美しい男が目の前にいたところで、ピアノで毎日のエチュードを弾いているときと同じ手つきで優雅にミルフイーユを崩すのだろう。ケーキの上の粉砂糖がはらはらっ、とこぼれると、砂糖と同じくらい白い指を軽やかに躍らせるようにして、パイ生地の全壊を防ぐ・・・・。

そうして、身に付けている、淡雪のような色の、胸元に大き目のギャザーの入った春の服は肩のあたりが少し大きめに開いていて、ケーキの一切れが、そっと口まで運ばれるとき、危うく、崩れそうにゆれる。


なーんてことを考えながら、「阪神間屈指の名店」がひしめき合う会場をうろうろしていたのであるが、一緒に行った娘も、その友達も辛党。あまい香りに包まれた会場で、
「ママー、おせんべい、無いのー。」
それに、「ボヘミアン」なブラウス。あのカッテイングは、子持ちの 、たくましい肩から二の腕を、ますます頑丈に見せる。ねらいとは別の意味でジプシーっぽくなっちゃう。
ミルフィーユを奇麗にいただくこととも、優美にドレスを纏うこととも、無縁の春である。

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