眠れない。
扇風機が、なまぬるい風をかきまわしている夏の部屋。何度も寝返りを打ち、ついに眠るのをあきらめてベッドに座り、膝を抱いた。
狭い部屋の片隅で、蜂の羽音のような音を立てている小さな冷蔵庫が目に入る。
お水、取ってこようかな。
とてものどが渇いている。
ううん、のどだけじゃない、なんというか、身体中が、渇いているんだ。
潤いたい。
恋人が、仲間と連れ立って「フーゾク」へ行ったということを、今日の午後カフエテリアで聞いた。
同じ大学の、同じサークルに所属しているのだから、そういうことは隠し切れない。「仲間」の中にはわたしたちの関係を知っているものがほとんどなのに、そういうことはあっさり伝わってくる。
いや、知っているから、か。
だから余計にこっちの反応が見たいのかもしれない。KEIは自分たちのことをそう仲間にぺラペラしゃべるとは思えないけれど、もしかしたらしゃべっているのかもしれない、わたしたちのこと・・・つまり、最近「エッチをする仲になった」ということを。
はたちにもなっているからには、別にそういうことがあっても不思議じゃない、だから別に何を言われてもいいのだけれど、やっぱり「フーゾク」に、今この時期に行かれるのは、つらい。
いたい、すんごく。
だって・・・。
KEIは、はじめてのオトコでは無い。
でも、高校時代にそうなった初めてのときにはひたすら痛いだけだったあのことが、なんか最近、なんというか、とても「よく」なってきたの。
KEIが上手なのか、わたしが「成熟」したのか、そこまでは経験が少なすぎて分からない、でも、なんというか、最近はあのときのことを考えただけで、ココロもカラダもじわあっ、と来ちゃうんだなあ、うん。
いわゆる「発情」というやつなのかも。
この前、ついに、小さくはあったけれど、声が出ちゃった。なんか、自然に。たまらなく背中にビビっ、ってなんか走ったのよね。
止めて、って言いながら、あ、でも止めたらやだ、っていうあれ。
で、止めて、止めないで、のリフレインがしばらく続いて・・・あっ、てなんか走り抜けたの。
KEIはすかさず、
「イッたのか?。」
って聞いて来た。でも、それは分からなかった。
「イッた」っていうのがどんな感じなのかは、ね。
だって、声が出ちゃうほどに感じながら、まだわたしの中には快感の源流みたいなものがたっぷり残っているみたいだったし、それをいわゆる「イク」で片付けてしまうなんて、ちょっと違うなあって。
男の人みたいに、「イッた」ら終わりじゃないんだもの。
KEIにしてみたら、やっぱりわたしが満足して、
「スゴクよかった、イッちゃったかも。」
って言葉が聞きたかったんだろうな、少し納得がいかないみたいな顔をしていたわ。
でも、ともかく、これからわたしたちは、どんどんふたりだけの「快楽ランド」を開拓していくんだろうなあ、っていう期待はあったし、そういう関係をすきなひとと持てて、とってもハッピーな気分だったのに。
なのに、フーゾク、だって。
冷蔵庫からエブイアンを取り出して、ペットごと口に付ける。
何も、フーゾクに行っちゃいや、ってわけではないのよ 。
いいえ、やっぱりこんなふうにあれこれ悩むのはいや、なのかな。
このもやもやした気持ちは・・・。
一瞬でもわたし以外のオンナの肌に愛着を感じた恋人への怒り、か。
オトコは、フーゾクのオンナの子なんかに愛情を感じちゃいないって言うかも。でも、それってやっぱり違うと思う。やっぱり少しでも好き、っていう気持ちが無ければ、ああいうことはできないと思うんだよね。
愛情、までいかなくとも・・・って少し弱気だけれど・・・魅力、は感じたんだよね。
わたしとのことが、もうこれから最高地帯突入っ、てなときに。
こういう場合、次のエッチに影響はないんだろうか。
わたしは、変に冷めてしまうみたいな気がするんだけど。だって、もうあれを舐めたりできそうにない。これを、誰か他の子も舐めたのかあ、なんて考えちゃうと。
逆に、
「わたしが忘れさせちゃううっ。」
なんて燃えるのかな、まさか。それは、ないない。
KEIのことは、好き、それは全然きのうと同じだ。
それに、こういうことを考えつつ、わたしのカラダは欲しいな、って気分を盛り上げつつある。つらいよおお。
熱帯夜りっしんべんにうなされる
「情」「怯」「慎」そして、「性」。
KEI、会いたいよお。
会いたくないよお。
この矛盾は、あの、止めて、止めないで、の螺旋に似ているみたい。ぐるぐるわたしの中を走って、
・・・どうにも、眠れない。
扇風機が、なまぬるい風をかきまわしている夏の部屋。何度も寝返りを打ち、ついに眠るのをあきらめてベッドに座り、膝を抱いた。
狭い部屋の片隅で、蜂の羽音のような音を立てている小さな冷蔵庫が目に入る。
お水、取ってこようかな。
とてものどが渇いている。
ううん、のどだけじゃない、なんというか、身体中が、渇いているんだ。
潤いたい。
恋人が、仲間と連れ立って「フーゾク」へ行ったということを、今日の午後カフエテリアで聞いた。
同じ大学の、同じサークルに所属しているのだから、そういうことは隠し切れない。「仲間」の中にはわたしたちの関係を知っているものがほとんどなのに、そういうことはあっさり伝わってくる。
いや、知っているから、か。
だから余計にこっちの反応が見たいのかもしれない。KEIは自分たちのことをそう仲間にぺラペラしゃべるとは思えないけれど、もしかしたらしゃべっているのかもしれない、わたしたちのこと・・・つまり、最近「エッチをする仲になった」ということを。
はたちにもなっているからには、別にそういうことがあっても不思議じゃない、だから別に何を言われてもいいのだけれど、やっぱり「フーゾク」に、今この時期に行かれるのは、つらい。
いたい、すんごく。
だって・・・。
KEIは、はじめてのオトコでは無い。
でも、高校時代にそうなった初めてのときにはひたすら痛いだけだったあのことが、なんか最近、なんというか、とても「よく」なってきたの。
KEIが上手なのか、わたしが「成熟」したのか、そこまでは経験が少なすぎて分からない、でも、なんというか、最近はあのときのことを考えただけで、ココロもカラダもじわあっ、と来ちゃうんだなあ、うん。
いわゆる「発情」というやつなのかも。
この前、ついに、小さくはあったけれど、声が出ちゃった。なんか、自然に。たまらなく背中にビビっ、ってなんか走ったのよね。
止めて、って言いながら、あ、でも止めたらやだ、っていうあれ。
で、止めて、止めないで、のリフレインがしばらく続いて・・・あっ、てなんか走り抜けたの。
KEIはすかさず、
「イッたのか?。」
って聞いて来た。でも、それは分からなかった。
「イッた」っていうのがどんな感じなのかは、ね。
だって、声が出ちゃうほどに感じながら、まだわたしの中には快感の源流みたいなものがたっぷり残っているみたいだったし、それをいわゆる「イク」で片付けてしまうなんて、ちょっと違うなあって。
男の人みたいに、「イッた」ら終わりじゃないんだもの。
KEIにしてみたら、やっぱりわたしが満足して、
「スゴクよかった、イッちゃったかも。」
って言葉が聞きたかったんだろうな、少し納得がいかないみたいな顔をしていたわ。
でも、ともかく、これからわたしたちは、どんどんふたりだけの「快楽ランド」を開拓していくんだろうなあ、っていう期待はあったし、そういう関係をすきなひとと持てて、とってもハッピーな気分だったのに。
なのに、フーゾク、だって。
冷蔵庫からエブイアンを取り出して、ペットごと口に付ける。
何も、フーゾクに行っちゃいや、ってわけではないのよ 。
いいえ、やっぱりこんなふうにあれこれ悩むのはいや、なのかな。
このもやもやした気持ちは・・・。
一瞬でもわたし以外のオンナの肌に愛着を感じた恋人への怒り、か。
オトコは、フーゾクのオンナの子なんかに愛情を感じちゃいないって言うかも。でも、それってやっぱり違うと思う。やっぱり少しでも好き、っていう気持ちが無ければ、ああいうことはできないと思うんだよね。
愛情、までいかなくとも・・・って少し弱気だけれど・・・魅力、は感じたんだよね。
わたしとのことが、もうこれから最高地帯突入っ、てなときに。
こういう場合、次のエッチに影響はないんだろうか。
わたしは、変に冷めてしまうみたいな気がするんだけど。だって、もうあれを舐めたりできそうにない。これを、誰か他の子も舐めたのかあ、なんて考えちゃうと。
逆に、
「わたしが忘れさせちゃううっ。」
なんて燃えるのかな、まさか。それは、ないない。
KEIのことは、好き、それは全然きのうと同じだ。
それに、こういうことを考えつつ、わたしのカラダは欲しいな、って気分を盛り上げつつある。つらいよおお。
熱帯夜りっしんべんにうなされる
「情」「怯」「慎」そして、「性」。
KEI、会いたいよお。
会いたくないよお。
この矛盾は、あの、止めて、止めないで、の螺旋に似ているみたい。ぐるぐるわたしの中を走って、
・・・どうにも、眠れない。
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