・・・頭の中の「六甲おろし」を何とかしてくれ・・・。

 と書きつつ、気が付いたのだが、「阪神ファン」と自ら名乗る方でも、この曲を全部きちっと歌える人は案外(わたしが思っていたより、ということではあるが)少なかった。
 途中の「漢文調」のところは、テキトーだったりする。確かにこれでもかこれでもかと聴かされている割に、アタマに入らない。キチッと聴けばカッコいい歌詞であるのだが。
 
 それはともかく、18年前の優勝の際、何をしていたか、というのもよく話題に上る。
 わたしはと言えば、
 覚えが無い
 のである。
 お、幼すぎて、と言いたいのをこらえて、真実を述べれば「受験生だった」のである。
 しかも、関西在住では無い。だから、まったく記憶に無いわけでは無いが、今回ほど熱を感じなかった。
 で、今回。
 
 今回、優勝が決まった瞬間には、「能」を観ていた。
 近所の「アトリウムプラザ」で、「能」の上演があったのである。
 夕刻、9階吹き抜けのドーム型の建物には、日本人ばかりではなく、外国人も集まっていた。
 初心者向けなので、解説が入るのだが、まさにその解説中、
 「途中経過」
を、大倉源次郎サンおん自らがなさったのである。
 演目がひとつ終わったところで、
 「今、優勝が決まったそうです。」
 会場に巻き起こる拍手と歓声、って、おいおい・・・。
 
 続いての狂言では、タイガース優勝にからんだアドリブもあり、気が付いた人から、しのび笑いが広がり、なかなか楽しいものであったが。

 その時間、子供二人を押し付けられた夫は、文字通り、子供相手に格闘していたようで、下のチョーコが、何をおもったか、ハサミを持ち出して来て、夫の(少ない)てっぺんの髪をちょん、と切った瞬間、胴上げがはじまったそうである。テレビのあちらでも、こちらでも、絶叫。
 ただし、夫はドラゴンズファン・・・。星野サンの胴上げを見るのは複雑な心境であったろう。
 って、それどころではなかったみたいだが。

 能を観たのは初めてでは無かったが、ドーム型の建物で、というのは初めてである。
 「近未来と中世との融合」というネライがあったらしいが、声がワーンと広がって聞き取りにくいのが気になった。
 しかしながら、半能「石橋」での、笛の音はすばらしかった。
 息を呑むほどに。
 あの音は、わたしの中に、おそらくずっととどまり続けることだろう。
 「あの優勝のとき、何をしていた?。」
 とたずねられたなら、かならずわたしはあの笛の音を思い起こすに違いない。

  笛の音の織り込まれゆく月の秋

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