秋つ雨
2003年9月24日 リーコとチョーコのお話 雨が降り続いている。
傘を差しても風に乗って吹き込んで来る雨に顔をうつむけて歩いていたら、真っ赤に染め上がった葉っぱを見つけた。
路上に濡れて張り付いた落ち葉。いつのまにか秋になっていた。
先日、ぶどう狩りに行った。
山の林では、まだ、ツクツクホウシが騒がしかった。
3歳のチョーコが、ふいに、
「蝉サンが英語でお話している。」
と、言った。
「英語?。」
「うん。wish,wish,って聞こえるでしょ。」
チョーコの耳には、「おーし、つくつく」の「おーし」の部分が、そう聞こえたのだ。
wish,wish,wish.wish,wish,wish.
ぶどうが実る山にあの蝉の声が響いたのは、もしかしたらあの日が最後だったのかもしれない。
今きっと、蝉のつぶやきが消えたぶどうの森にも、静かな雨は降りそそいでいるだろう。
秋つ雨胸まで濡れてみるもよし
あと何回、夏を送るのだろう。
あと何回、秋の雨に打たれるのだろう。
もうそろそろ、季節のひとつひとつを、心に刻み付けながら過ごす方がいい、この年になれば。そんなことを思う。
傘を差しても風に乗って吹き込んで来る雨に顔をうつむけて歩いていたら、真っ赤に染め上がった葉っぱを見つけた。
路上に濡れて張り付いた落ち葉。いつのまにか秋になっていた。
先日、ぶどう狩りに行った。
山の林では、まだ、ツクツクホウシが騒がしかった。
3歳のチョーコが、ふいに、
「蝉サンが英語でお話している。」
と、言った。
「英語?。」
「うん。wish,wish,って聞こえるでしょ。」
チョーコの耳には、「おーし、つくつく」の「おーし」の部分が、そう聞こえたのだ。
wish,wish,wish.wish,wish,wish.
ぶどうが実る山にあの蝉の声が響いたのは、もしかしたらあの日が最後だったのかもしれない。
今きっと、蝉のつぶやきが消えたぶどうの森にも、静かな雨は降りそそいでいるだろう。
秋つ雨胸まで濡れてみるもよし
あと何回、夏を送るのだろう。
あと何回、秋の雨に打たれるのだろう。
もうそろそろ、季節のひとつひとつを、心に刻み付けながら過ごす方がいい、この年になれば。そんなことを思う。
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