海の手のコール・ド・バレエ ゆきやなぎ

 
 以前、友達が言っていた。
「不倫の恋は決してきれいな恋にはならないんだから、好きになったら、いちいちきれいかどうかなんか考えてないで、汚くてもとにかくぶつかるしか無いのかも、よ。」

 不倫は汚い。
 で、ひとりものの恋はキレイ。
 そうなのかな。

 とわたしがギモンに思ったのは、かつて、二十代の頃、少しでもいい条件の「結婚相手」を探そうとする同世代の女の子たちが、決して「きれいな恋」をしていない、と感じたからである。

 二年ほど前、この「日記」で「連載」を書いてみたことがある。
 あのとき、「身体の相性はいいのだが、結婚という形にはそぐわない」二人、というのを書いてみた。
 今回、その逆を書いてみようと思い立った。

 きれいな不倫を書く。

 そう考えた。

 そんなもんあるのか、と思った。結局、きれいに不倫させるにはヒロインは「片想い」でいるしかない、ということに思い当たって・・・その通りになった。

 あえて「連載」にしなかったのは、決して何も起こらないということがあらかじめわかっていたから。
 ヒロインの心象風景は、季節の中の素敵なものから拾った。
 季節の風、花、ひとがつくったアート、そういうもので、彼女の切なさを表現する。
 それだけの話。
 そうしなくては、きれいな不倫の話には、やはりならなかった。

 人工島に住み、しかもひどいときには三ヶ月に一度くらいしか、本土に行かない、そういう生活。
 俳句を作るのには問題は無かったが、ヒロインの生活がそのまま、わたしの生活と重なるのはしんどかった。
 入り過ぎて、最後の方、地面いっぱいに蜂蜜でも流してその上を歩いているみたいな、べとべとした感じになった。
 
  お読みくださった皆様、ありがとうございました。
 

  「じゅんこちゃん」。
  ここまで読みに来てくれてありがとう。
  そうですね、ご指摘の通り、この一連の「日記」を読んで、一番ブッ飛ぶのは、チョーコの主治医でしょうね。
  ただ、彼だけが「虚構」であるということも分かるはずなので、そのあたりはまあ、万が一読まれたとしても、大丈夫かな。
  そう、現実のわたしは、両側から娘たちに押し寄せられて、きゅうきゅうになって寝ています。さらにその上からダンナが降って来る、というような無茶はしていません。
  恋を通して何かを書くのが好きなんです。
  それだけのこと。

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