入学式
2004年4月9日 リーコとチョーコのお話 入学式リボン揺るるは孵化のごと
入学式。
先日まで、幼稚園の「年長」だった子供たち、そこでは、「いちばんのおにいさん、おねえさん」として、それなりに厳しくしつけられ、毅然と行動することを言い渡されていたのだが、それが嘘のよう。
小学校では、何という幼さ。
それでも、椅子にかけてピンと伸びた背筋に、彼らの集団生活が、ここから始まるのではないことを、かろうじて感じ取る。
新しい、スタート。
六年生に手を引かれての入場。二年生の歓迎の合唱。
その落ち着きと、まとまりに向けて、今から新しい生活に入る。
少女たちは、おしなべてリボン。
髪や、服の上で、揺れる。
式が終わって駆け出した校庭のあちこち、花吹雪の中で、くるくると回る姿。そのどこかで、ヒラヒラと揺れる。
生まれたばかりの蝶のように。
卵のあなたをあたためて育てた。
やさしく揺り動かし、あたためて慈しんで。
時に、放り出したくなっても、そういう自分を責めながら世話を繰り返した日々。
まだ、羽根は乾ききっていないけれど、もう、ひとりで飛べるんだよ。
あなたの、蜜を探して行きなさい。
あなたの、仲間をみつけなさい。
あなたの、行きたい場所を考えて。
そうしていつか、
あなただけの王国にたどりつきなさい。
生まれたばかりの、蝶に向かって、春の風はやさしい。
入学式。
先日まで、幼稚園の「年長」だった子供たち、そこでは、「いちばんのおにいさん、おねえさん」として、それなりに厳しくしつけられ、毅然と行動することを言い渡されていたのだが、それが嘘のよう。
小学校では、何という幼さ。
それでも、椅子にかけてピンと伸びた背筋に、彼らの集団生活が、ここから始まるのではないことを、かろうじて感じ取る。
新しい、スタート。
六年生に手を引かれての入場。二年生の歓迎の合唱。
その落ち着きと、まとまりに向けて、今から新しい生活に入る。
少女たちは、おしなべてリボン。
髪や、服の上で、揺れる。
式が終わって駆け出した校庭のあちこち、花吹雪の中で、くるくると回る姿。そのどこかで、ヒラヒラと揺れる。
生まれたばかりの蝶のように。
卵のあなたをあたためて育てた。
やさしく揺り動かし、あたためて慈しんで。
時に、放り出したくなっても、そういう自分を責めながら世話を繰り返した日々。
まだ、羽根は乾ききっていないけれど、もう、ひとりで飛べるんだよ。
あなたの、蜜を探して行きなさい。
あなたの、仲間をみつけなさい。
あなたの、行きたい場所を考えて。
そうしていつか、
あなただけの王国にたどりつきなさい。
生まれたばかりの、蝶に向かって、春の風はやさしい。
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