病院は白き繭なり 人波に染まらずありき 黄金週間
 
 
 チョーコの入院は、ちょうど、ゴールデンウィークと重なった。
 なので、主人と交代で看病することができて、良かったのでは、あるが。
 病院は、家から走れば5分、という距離であるから、病室の窓から見えるのはいつもの街であり、病院を一歩出ればそこにあるのは、いつもの道、である。
 交代のとき、自宅に帰ろうと外に出て初めて、その普段とはまったく違う、人の多さに「ああ、そうだ、連休だったんだ」と気が付く。そんな感じだった。

 入院中の、いろいろなこと。

 何か危機が訪れたとき、結束が固くなる関係と、崩壊する関係と、人間関係には二通りあると思った。
 そして、退院したら、離婚する、とまで思った。
 最初の数日間。
 両腕に違和感と熱と痒みを覚えて、ふと見たら、おびただしい数の発疹を認めた。
 このあと、ようやく・・・はっきり言えば主人とその母親・・・は、「何か」思うところがあったらしい。
 けど、わたしの中にある塊は、苦い珈琲に放りこんだ角砂糖の溶け残りみたいに、わだかまって残っている。
 
 どうしてだか、「お話」ではどうにでも書けるのに、「日記」では、明るい話しか、書けない。

 またしばらく「お話」になるかもしれないけれど、それは、そういうふうにしか書けない、わたしの病気みたいなものである。
 
 ただ、入院中、メールをいただいた方、本当にありがとうございました。
 もちろん、病院内では、ケイタイは切ってある。
 しかし、外で「つながった」ときの心強さと言ったら、思いがけないほどだった。
 自分がこんなに「つながってる」ことを意識して生活しているとは思いもしなかった。

 ・・・チョーコ、今夜は久しぶりに熱も無く、咳きこむ様子も無い。
 まだ幼稚園には行かせられないけれども、ようやく落ち着いてきた感じ。
 今日、思い切って、3月まで主治医だったせんせいのところへ連れて行った。
 診察のとき、名前をちゃんと呼んで、優しく頭を撫でて、
「ここまで来てくれたん?」
という言葉があって。
 「癒し」ということを、久しぶりに強く意識した。

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