青白き十一月を受け入れぬ

 
  毎年なら今頃、この人工島にも、紅葉の季節が訪れている。
  まっすぐに伸びた通りは、銀杏の落とす金色の葉でいっぱいに埋もれ、スポーツ・ジムの窓は、燃え立つようなフウの木の赤い色を映している。
  
  それが、当たり前だと思っていた。

  今年は塩害のせいか、銀杏は細々と青葉を伸ばして、頼りない日の光を蓄えようとし、フウの木は可愛らしいトゲトゲの実を実らせることもなく、薄い葉を縮らせている。

  当たり前のことなんて、本当は、どこにも無いと知る。

  

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